©2021 Wingtra
概要
スイスのチューリッヒに拠点を置くドローン開発企業 Wingtra 社が開発したマッピングドローン Wingtra One を紹介します。
Wingtra One は2基のプロペラを装備した固定翼タイプのドローンで、広範囲のエリアを迅速にマッピングする用途に適した機種です。
使用できるカメラはSONY製の高品質カメラが選択されています。
Wingtra社は WongtraOne のデータ収集効率について、マルチコプタードローンの11倍の性能を持ち、他社の固定翼ドローンに対しても2倍のパフォーマンスを発揮できると豪語しています。
優れた飛行特性を持った Wingtra One と高性能カメラの組み合わせにより、以下の用途で性能をフルに発揮できます。
建設・測量
・航空地図や都市計画のためのデータベース作成など、GIS(Geographic Information System/地理情報システム)に関係する業務の効率化
・インフラストラクチャーや大規模開発などの建設計画におけるマッピングに活用することで、計画の予算を抑えて所要時間を短縮
農業
・マルチスペクトル画像による様々な要素の検出により、病気の発生や成長状態などの作物の生育情報の監視
・農業設備の故障や破損の状況や、農地が適切な管理状態かどうかの確認
・自然災害による農地被害の特定や、保険料支払いのための被害データの所得
研究
・衛星やヘリコプターなどを使用せずに、野生動物の追跡調査や土地・山林の状況監視が可能
・VTOL性を活かした船舶上から発着により、海洋研究にも使用可能
・大学や研究機関向けの割り引き制度あり
鉱業
・鉱物資源の上空を撮影することで、地質図の作成が可能
・撮影データをもとにした運搬用の道路の整備計画
・上空から掘削場所の配置状況の確認、発破前の危険性の計算および発破後の結果算定
・採掘現場を頻繁に監視することで、土砂崩れや事故の原因となる水の流れを発見し、対処力を高める
・切土・盛土・埋め立ての体積を計算し、工事管理の効率化を高める
Wingtra One の機能
●基本能力
●5分の所要時間で組み立てから離陸が可能
●自動化により、着陸から再離陸とデータ収集まで自律行動が可能
●着陸時は機体全体を上向きにし、垂直尾翼と翼端の支持棒で垂直着陸する
●着陸精度は2×2メートルの範囲
●高性能のRGB61カメラと組み合わせた場合、1cmの絶対精度を発揮
●5バンドを持つ Micasense (マイカセンス)のマルチスペクトルカメラに対応
●コントローラーには Samsung Galaxy Tab Active 3 を付属品として装備
●互換性のあるマッピング・測量ソフトウェアは PIX4D, Propeller, Trimble, Metashape, esri, Bentley
●IP54規格の防水性
●スイスで300以上の品質保証テストを行い組立
●飛行性能
●最大で59分の飛行時間を発揮
●最大速度は57km/h
●オプションの高高度用プロペラを装備した場合、5,000mまで飛行可能
●飛行ソフトウェアは WingtraPilot
●無線最大通信範囲は10km
●風耐性レベルは6相当(12m/s)で、突風の場合は18m/sまで対応
●動作温度範囲は-10℃から40℃
●飛行ソフトウェア Wingtra Pilotの機能
●道路やパイプラインなどの狭い区間を迅速に処理できるコリドーマッピング機能
●山岳地帯であっても標高データから安全な高度で飛行できる地形追従機能
●GIS(地理情報システム)プログラムからKML(位置情報)ファイルを入力することで、飛行する地域の飛行経路を作成
●飛行中任意のタイミングで発着地に帰還し、元の飛行位置に戻る機能
●大規模なミッションの場合は、バッテリー交換を考慮したミッション分割する機能
●事前にマップをインストールしておくことで、オフライン状態でも飛行可能なオフラインモード
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